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2023-05-28

仕入日記:かじや窯

実店舗オープンのドタバタから漸く落ち着きを取り戻し、行ってきたのは初めての山鹿。
少し遠いし、せっかくだから温泉にでも泊まらない?山鹿温泉いいらしいよ?ということでまんまと旦那を巻き込み、運転という苦行(店主にとってはですよ。好きな人は好きですよね・・・)から解放された店主。なんて気が楽なんでしょうか。

山鹿はかつて豊前街道の宿場町として賑わいを見せたところ。今も風情ある街並みが残っていました。
中でも国指定重要文化財でもある八千代座は見応え抜群!
花道の真下、奈落や廻り舞台も見学できたし、何より現役で営業しているという素晴らしさ。
一度は朽ちかけていたというのですから、再興に尽力された方々には頭が下がります。

さて温泉に浸かる前に、仕入れです。
今回伺ったのは、風見窯の杉田さん同様に小代焼ふもと窯の卒業生、かじや窯。
以前から気にはなっていたものの、山鹿までの運転に不安があり過ぎて先延ばしにしていたのでした・・・いつもこんなヘタレな理由でごめんなさい。
今回は旦那が運転してくれましたが、次回は行きますよ!ひとりで!

事前に注文をしていた訳ではないので種類も数も限られますが、米原さんご夫妻に快くご対応頂き、無事に仕入れることができました。
お人柄が表れているような素朴で味わい深い品々です。

搬入しようと車の扉を開け放っていたら、看板猫がひょいと飛び乗り、良さそうな隙間に収まってしまいました。
とても居心地よかったらしく、降りてもらうのにひと苦労(笑)めちゃくちゃ可愛かったです。

元々学生の頃からぼんやりともの作りがしたいと思っていた米原さん。鳥取生まれということもあり、岩井窯の山本教行さんに憧れていたそうです。
しかし空きがなく岩井窯には弟子入りが叶わず。大学で学ぶよりも早くどこかに弟子入りした方が良い、との山本さんのすすめで入ったのがふもと窯でした。

ご本人曰く決して仕事が早い方ではないとのことで、そういう意味では作家的な仕事の岩井窯よりも、職人としての仕事をするふもと窯の方がたくさん数が作れるので結果オーライだったそうです。

店主は常々思うのですが、何でも早くて上手であれば良い、という訳ではなくて、例えば音楽でも上手なだけで全然心に響かないものと、あんまり上手ではないんだけど良いよな~というものがあります。
もちろん、早くて上手で心にも響く、それが一番良いかもしれませんが、そうじゃなくても良いと思うのです。

ということで、かじや窯の品、少しですが店頭に入荷しています。木灰や藁灰を使った滋味深い色、落ち着いた発色の呉須、シンプルで自然な形。まずは多くの方にご覧頂けたら嬉しいです。
注文も出しますが時間がかかるようなので、それはそれで気長に待ちながら、また山鹿を訪ねたいと思います。

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