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2022-01-29

久しぶりの東京で~前編~

福岡県糸島市に移住したのが2017年。会社設立が2018年。2019年はバタバタと過ごし、2020年のどこかでゆっくり帰郷するつもりがコロナ禍に突入。2021年1月にGO TO TRAVELを使って帰ろうと航空券を予約するも緊急事態宣言発令で見送り。

1泊とか2泊とかで帰ったことはありましたが、今年こそはしっかり時間をとって帰る!と心に決め、2022年1月、遂に行ってきました、久しぶりの東京!

上の画像は紅白歌合戦の会場になっていた東京国際フォーラム。確かこの場所で星野源さんがパフォーマンスしていましたね。
ちょうど開催していた大江戸骨董市(楽しかった!)に行った時に撮ったもの。

厳密には実家は横浜なのですが、いわゆる浜っ子エリアではないので行動範囲は元々東京が主。今回も横浜方面ではなく東京方面への外出を中心に予定を立てていました。
実は出発の前日、首都圏は雪に見舞われており。予報よりもたくさん降って、積雪は10cm超とこの辺りでは大雪レベル(雪国の人には笑われるレベル)。1日早い飛行機だったら行けないところでした。無事に飛んでくれてホッ。

そんなこんなで久々の東京、あちこち買い物や食事に出掛けたのですが、このブログで書こうとしたのは「柚木沙弥郎 life・LIFE」「民藝の100年」のこと。

柚木沙弥郎 life・LIFE」が開催されていたのは2020年に開業した立川の新スポット、PLAY! MUSEUM。立川は数回訪れたことがありましたが、今回ここに行ったことで、かなり印象が変わりました。とても良い意味で。その昔デベロッパーに勤務したことのある身としては、その役割の大きさを改めて感じたりして。

柚木沙弥郎さんは、言わずと知れた染色家。御年99歳!今なお現役です。
人間国宝 芹沢銈介の弟子だった柚木さん。伝統に縛られ過ぎないその自由なスタンスに心惹かれます。今回タイミングばっちりだったので、実家からは少々遠いのですが、張り切って行ってきました。

木を多く使ったやわらかなつくりの場内に、配置される作品の数々。
圧巻だったのはやはり「布の森」。

時系列に囚われない展示で、でもその作風の変化から推し測れたりもして、ただ眺めながら、キャプションで答え合わせしながら、通常よくある展示とは違う感覚で楽しむことができました。

撮影可だったのでSNSにもたくさん投稿されていて、同じ作品に対するそれぞれの撮り方・感じ方を後から見るのも興味深かったです。

店主が個人的に衝撃だったのは、2016年刊行の宮沢賢治の「雨ニモマケズ」。
中でも❝ヨクミキキシ ワカリ ソシテワズレズ❞のこの絵。

実は違う染色家が同じ場面を描いた型染絵を持っているのですが、そちらはとても実直なイメージ。それはそれで好ましく感じて手に入れたのですが、対してこの柚木さんの発想力!90歳を過ぎてこんな自由な表現ができるなんて、異次元の人だなと。ちょっと立ち尽くしてしまいました。

ランチは併設のカフェで、期間限定メニューを。
柚木さんの好物だというプリンに添えられたウエハースは、布の森にあった❝まゆ玉❞。

食後には❝つばめラテ❞を。

こちらが元ネタ。
絵柄は数種類あって、近所に住んでいたら通ってコンプリートしたでしょうね。

東京に立つ前日、予習の為に入手していた「別冊 太陽」をパラパラとめくっていました。

プロダクトデザイナー深澤直人さんとの対談で「Another kind of art」を柚木さんは目指しているという話が出てきます。それから「混ざらないとだめだ」という話も。

店主が今こういう店を営んでいるのは、工芸とか民藝とかを通ってきたからではあるのですが、私が通ってきた道はそれだけではなく、今歩いている道もそれだけではない。だからこれまで、それぞれに特化した集団に属する度に違和感を感じ続け、だからこその今の店の形になっています。
まぁ、形と言っていいほどにはまだ定まっていませんが。そういう自分の感覚を肯定してもらえたような、そんな気がしました。

来年、日本民藝館でまた企画展が予定されているようです。前回実は行けなかったので、来年は必ず見に行こうと思います。

長くなったのでこの辺で。後編は「民藝の100年」について。

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