仕入日記:三度目の西表、そして石垣
こんなに何度も通う人生になろうとは。
また行ってきました、石垣島からフェリーに乗って世界遺産の島、西表島。
工房 風花の中里さんから連絡をもらい、窯から出たばかりの品を選ばせて頂くためです。

初日は晴れたのですが、予報に反して西表島に渡る2日目からは、しっかり雨。
折り畳み傘、置いて来ちゃったんだよなぁ…ま、いいか。
ということで、一度歩いてみたかったので無謀にも傘無しで港から歩き出した店主。
途中地元のスーパーに寄ったりしながら少し歩いたところで本降りになり、神社で雨宿りをさせて頂くことに。

雨で足止めを食らったとはいえ、日頃情報過多な日々を過ごす現代人としては、雨音を聞きながらぼんやり待つ時間、なかなか良いものでした。
しかもこの、内地の神社とは趣きの違う鬱蒼とした様子も風情がありますよね。
しばらく待って、漸く雨が弱まったところでまた歩き出します。
とりあえず共同売店を目指して。


大富共同売店ではお弁当を買って、店先で食べることができます。
後から中里さんに聞いた話だと、お弁当は石垣島で作られたものが届いているのだそう。
離島暮らしの不便さが垣間見えます。
聞こえてきた正午を知らせる音楽(都会ではもう鳴らないけど、地方ではお馴染みのアレ)が、三線が奏でる八重山民謡?らしきもので、とても良かった。
日本各地でも真似して欲しいくらいです。

雨が止まないので中里さんが売店まで迎えに来てくださり、工房へ。
ここは本当にいつ来ても良いところ。お天気は今ひとつでも、心地よい空間です。

このところ陶土のトラブルで思うように作れず苦労していたようで、大きめサイズはあまり無かったのですが(7寸皿が山ほど割れたとか、、、残念!)、今回もいろいろ選ばせて頂きました。
例によって、ほぼほぼ1点物。

中里さんはいつも楽しみながら絵付けをしていらっしゃる感じで、新しい柄もいくつか見受けられ、店主としても今回は何があるかな?という選ぶ楽しみがあります。
袋物にもチャレンジしているようなので、今後も益々楽しみ。

無事に買い付けを終え、夕方の船で石垣に戻ります。
前回が弾丸日程が過ぎたので、今回は石垣に2泊という少し余裕のあるスケジュール。
それでもビーチには一切行かず、滞在中に今度こそ欲しい!と思っていた品があります。
それが、このアダンの籠。

過去2回の石垣滞在時も何度か訪ねていたのですが、毎回タイミングが合わずご不在。
三度目の正直とする為にも、今回は隙あらば何度も何度も訪ね、最終日の朝に漸く、本当に漸く、作り手に会うことができたのです!

お会いしたのは、御年91歳になる、おじぃ。
ご本人曰く、アダンの葉を使ったこうした籠を、最初に編みはじめた作り手だそうです。
その後いろんな人に教えてあげたから、今は作る人が随分増えたね、と笑っておられました。

アダンは八重山や沖縄といった熱帯地域の海岸付近に自生するタコノキ科の植物。
パイナップルに似た実をつけて群生するその様子は、沖縄に行ったことのある人なら一度は見たことがあるはずです。


草履に使うのは昔から八重山に生えているアダン。
かごを編むのは東南アジアから持ち込まれた、より丈夫な違う種類のアダンの葉だそうです。
今はこちらの種類のアダンもどこにでも生えているので、ご自身で採取して使っておられます。
濡れても全然平気さ~と、おじぃ。

今日もこれから草履を編むよ、とのこと。
帰る日でなければそれも待っていたい気持ちでしたが、あいにく飛行機の時間が迫っています。
少し写真を撮らせて頂き、お元気で、と声を掛け、後ろ髪を引かれる思いで後にしました。
また石垣に行った時にも、元気に編み続けていて欲しいと心から願います。

遂に手に入れたこの、石垣のおじぃが編んだ、アダンの籠と草履。
工房 風花と百草陶房の品と共に糸島の店で3/21(土)からお披露目します。










