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2023-02-22

仕入日記:北谷竹細工

昨夏、沖縄に行ってきました。
琉球ガラスの仕入日記はこちらを、番外編はこちらをご覧頂くとして。
その際に実は、沖縄本島で唯一の竹細工工房も訪ねていたのでした。

沖縄県工芸士にも認定されている津嘉山寛喜(つかやまかんき)さんは、「北谷(ちゃたん)竹細工」の3代目。
かつては日用品として誰もが使っていた竹細工ですが、扱いやすく安価なプラスチック製品が流通しはじめると需要が激減。生業として成り立たなくなると、その作り手もあっという間にいなくなってしまいました。

「昔はやんばるの方からおじい達に竹を伐ってきてもらっていたけど、みんな天国へ行ってしまったよ」
そのおじい達の下の世代はやりたがらず、材料となる蓬莱竹は自分たちで調達に行くのだそう。
最近では放置された竹林が多く、良い竹材が入手しにくくなっているとのことで、試験的に栽培にもチャレンジされいる津嘉山さん。
というのも、循環している竹林の竹の方が力があり、虫も付きにくいのだそうです。
日本中どこにでも生えていそうな竹ですが、だからといって材料もいくらでもあると思ったら大間違いなんですね。

そんな津嘉山さんですが、以前は竹細工とは別の仕事をしていたこともありました。作っても売れず、生活が出来ないからです。
しかし、一大産地だった北谷町でたったひとり、竹細工を続けていたお父様の姿を見て考えを改め、竹細工を本気でやろうと決意。
それからは今は亡きお父様に習いながら技術を磨き、今に至ります。

沖縄の竹細工を継続させるため、日用品以外の飾って楽しむようなものも作っているそう。
お父様はそういうったもの作りに反対されていたようですが、工房自体が潰れてしまっては元も子もありませんよね。
柔軟に考えられる津嘉山さんだったからこそ、沖縄の竹細工の伝統を今に繋げることが出来たのだと思います。

その沖縄の竹細工を未来にも残すべく、若い人を巻き込むために令和2年からは学校の看板も掲げています。
手伝いでも趣味でも良い、まずは気軽にやってみて欲しい。そんな思いが伝わってくる、ほのぼのした工房の空気感。
今はたった1軒の竹細工工房が、いずれは2軒3軒と増えるかも?しれません。楽しみ。

そんな津嘉山さんの竹細工、夏にお願いしていたものを漸くONLINE SHOPでお披露目できます。
先行して年始のPOP UPにはお出ししていましたが、中にはまだ青さの残る品もありますよ。
沖縄の蓬莱竹による、沖縄らしい形状の竹細工です。是非ご覧下さい。

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