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2023-09-05

仕入日記:GAYA

GAYAの存在は、お店を意識する以前から知っていました。
私の元に初めてのGAYAアイテムが舞い込んだのは15年ほど前。大小のブロックプリントの布を使ったがま口で、頂きものでした。
少し寝かせて、いつから使い始めたかは最早思い出せません。
小さながま口は使用頻度が高くボロボロになったので2代目を、大きながま口は今でも使い続けています。

その後、日本民藝館に置いてあるのがGAYAのアイテムであると認識するも、東京九段のお店には足を運ばぬままに福岡に移住してしまった店主。
そんなこんなで初めて九段のお店を訪ねたのは、2022年12月でした。
GAYAはインドの手工藝の素晴らしさを日本に伝えたいという思いから、1988年にスタートしたお店。
今は創業者の娘さんお2人が引き継いでいます。
扉を開けるとそこにはインドの美しい手工藝がずらり!見応え抜群です。

福田亜紀子さんと、妹の赤坂瑠生子さん。
姉妹でお母様のはじめた仕事を継ぐなんて、素敵すぎます。

お2人のお母様は、カメラマンのご主人に同行する形で巡ったインドで手仕事の美しさに魅せられ、日本でもそれを正しく伝える為にお店をスタートさせました。
小さな頃から何度もインドを旅したお2人。福田さんのはじめての渡印はなんと6歳でした。
この時のことはGAYAのブログで連載中の「娘と歩くインド」をぜひ読んでみて下さい。旅に出たくなりますよ。

お2人とも最初は違う仕事を選びますが、お母様の体調不良などを経て(今はお元気だそうです)継ぐことを決意。
現地の職人たちに継ぐことにしたと伝えると「やっと決めたか!」ととても喜んでくれたのだそう。子どもの頃からの付き合いなので、まるで親戚のような感覚なのだとか。
今ではこの仕事が「こんなに楽しいのか!と驚くくらいに楽しい」と福田さん。
現代に合った提案の仕方で、インドの美しい手工藝の世界を私たちに見せてくれています。

インドには素晴らしい工藝品がたくさんありますが、何と言ってもテキスタイルの宝庫。
広大なインドでその土地土地の伝統を伝えるブロックプリント(木版)は、機械プリントにはない柔らかさや揺らぎが魅力的です。
イギリス植民地時代にガンジーがインドの自立の為にと広めたカディ(ヒンドゥー語で手紡ぎ手織りという意味)は、インドの空気感をそのまま織り込んだかのような手触りで、使い込むほどに風合いが増す品。

実はインド更紗は、古代インダス文明(紀元前2000年前後)まで遡るという気の遠くなるような歴史を持ちます。
つまり、ウィリアム・モリスもリバティ・プリントも京友禅も紅型も、世界中のありとあらゆるテキスタイルがインド更紗の影響を受けているのです。
こんな歴史ある美しい布を日常的に使う喜び、纏う喜び、ぜひ皆様も体感して下さい。

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