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2019-05-31

こだわりの道具は面倒で扱いづらい?

うちは味噌を大きめの益子焼の壺に入れています。
使う度にヨイショと冷蔵庫からその壺を取り出して、割らないよう大事にキッチンのカウンターに置く。
蓋をとって、これまた割れないようにそっと置き、壺から味噌を適量すくって鍋に溶かし入れる。

こう書くと、なんと面倒なことを!と思う方も多いでしょう。
サッと溶けるチューブタイプの味噌なんかも販売されている時代です。
毎日忙しいのにお味噌汁つくる度にそんなことできないよ、と思われるかもしれません。

でも、この動作は私にとってはまったく苦になりません。
それどころか、好きな時間と言ってもいいくらいです。

少し話が逸れますが、お味噌汁に玉ねぎ氷を入れると痩せるらしい、という話を人から聞いた時のことです。
私はその話に「玉ねぎ氷を仕込むのが面倒」と答えました。
そこから「味噌を溶かすのも面倒」という話題になっていったのですが、前述の通り、私は味噌を溶かす動作は好きなのです。

玉ねぎ氷を仕込む動作と、味噌を鍋に溶かす動作。
私にとって何が違うのでしょう?
それは、扱う対象への思い入れではないかと思うのです。

冒頭に書いた、味噌を入れている壺。
私はこの道具を大層気に入っているので、見るのも触るのも楽しいです。
しばらく味噌を使わないと、久しぶりにお味噌汁食べたいな、と思うと同時に、
久しぶりにあの壺を使いたいな、と思います。

そしてその中に入れている味噌。
うちは信頼できる生産者さんから取り寄せている、無農薬無化学肥料の大豆から仕込んだ、化学調味料無添加の味噌を使っています。
福岡に越してきた時にほかの味噌も試しましたが、結局戻ってしまったお気に入りの味です。

それに対して、玉ねぎ氷をつくると聞いてイメージしたのはプラスチックの製氷器。
もうその時点で私にとって玉ねぎ氷はまったく魅力のないものとなり、それを仕込むなんてことは考えられなくなりました。

で、何が言いたいかというと。

道具でもなんでも思い入れがあるものなら、使うことやそのお手入れにネガティブな感情は抱きづらいのではないかと。
鉄のフライパンでの炒めものも、蒸篭を使った温めなおし(うちには電子レンジがありません)も、その道具が好きなら使うことが楽しいのです。

まずはお気に入りを見つけましょう。
そしてその背景を知りましょう。
そうすれば扱いづらいなんて思わず、楽しく付き合っていけるはずです。

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