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2021-08-13

仕入日記:柴田徳商店の博多曲物

目立たないけど(失礼)じわじわ売れていく当店の隠れた人気商品、博多曲物。
在庫がほぼ無くなってしまっていたので、仕入れに行ってきました。
今回の品は少し色が濃いめ。柴田さん曰く、こういうものの方が丈夫なんだとか。

いつも都合がつかず週末に伺っていたので実際のお仕事の様子を見たことがなかったのですが、今回は平日だったのでようやく拝見できることに。
先代の頃から柴田徳商店で働いている熟練の職人さんと、そのお手伝いの女性に柴田さん、たった3人で遣り繰りされています。

遠慮して遠巻きに眺めながらちょこちょこ画像を撮っていると、職人さんがどの工程を行っているのか教えて下さいました。
職人というと取っつきにくいイメージもありますが、本当に人それぞれ。こちらの方はとっても物腰柔らかで優しい雰囲気で、癒されます。

こちらの画像は弁当箱の蓋の側面をきれいに削っているところ。
正面の回転する機械に刃が付いていて、押し当ててザラついたところを滑らかに仕上げていきます。

削りカスはふわふわで、鰹節みたい。

機械の回転を止めたところ。このような刃が付いてます。

こちらすべて、弁当箱の蓋。側面が滑らかになっていて、サイズも揃っています。
柴田さんによると、職人さんは今日は他の作業をするつもりだったようですが、蓋待ちの弁当箱が溜まっていると柴田さんが催促したのだそう。

注文に合わせて大体の工程を書き出し、順番にこなしていくそうですが、どうしても職人のこだわりで予定通りに進まないことが多いようです。
それをうまく調整していくのも柴田さんの役割なのだとか。

曲物を綴じたり、絵付けをしたり、注文を受けたり、スケジュール管理をしたり。
更にこの画像の機械で曲物を収める箱を作ったり。柴田さんの仕事は多岐に渡ります。
店主が見学をしているとふと現れて、この機械でガチャン!ガチャン!とおもむろに箱を綴じていました。
組み立てたものを仕入れると高いし嵩張るからね、と。
一時期、曲物以外の箱も作っていたことがあるそうで、その当時の機械だそうです。

さて次はどういう作業を見られるのかな~と思っていたら、機械から一瞬火花が!
画像は故障箇所を確認されているところ。残念ながら作業は中断されてしまいました。
自力で直せるところは直しながら使うようですが、電気系統は火災も怖いので業者を呼ばないと、とのこと。
長年使っているし木屑の多い作業場なので、メンテナンスも大変そうですね・・・

次回もなるべく平日に伺って、違う工程も拝見したいなと思います。
仕入れたものはONLINE SHOPに掲載しておりますので、ぜひ覗いてみて下さいませ!

※追記※
2023年春にこちらの職人さんは引退され、この工房は使われなくなりました。
2024年秋現在、柴田さんがお店を守っておられます。

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