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2021-12-09

仕入日記:風見窯

約半年振りの風見窯。
向かう途中で事故渋滞に巻き込まれ、30分ほど約束の時間に遅刻してしまいました。
が、いつもの爽やかな笑顔で迎えてくれた杉田さん。お元気そうで何よりです。
心なしか田の神様に似てきたような・・・?

少しずつ定番と言えるアイテムも増えてきた様子。
皿類が特に人気なようですが、皿ばかりに注文が偏ると窯詰めの効率が悪くなってなかなか大変なようでした。
そして相変わらず研究熱心で、この夥しいテストピースの数!

気になることがあると調べたり確かめたりせずにはいられない、そんな性格の杉田さん。
数日前の窯では「薄氷貫入釉」を成功させて、次は独自の青を出したいと奮闘中です。
呉須やコバルトを使う作り手が多い中、そうではない風見窯らしい美しい青。楽しみですねぇ。

ちなみに「薄氷貫入釉」は、その昔中国で、とある失敗から偶然発見された釉薬。
その名の通り、湖に薄く張った氷のような、美しい釉薬です。
貫入は焼いた時の素地の収縮によって生まれるものですが、縮みの少ない風見窯の陶土(八女で採れた粘土を使用)はこの 「薄氷貫入釉」 に向いているはず、と考えてチャレンジしたのだとか。

今回狙い通りの美しい仕上がりとなっていますが、釉薬の表面張力で焼成時に剥がれやすく、安定して使うにはもう少し調整が必要だそう。
実際B品がかなり出てしまっていました。

一から取り組もうと思うと、焼きものは化学の要素が本当に大きいです。
杉田さんも「子供の頃にもっと化学の勉強してれば良かったですよ」と笑います。
この「薄氷貫入釉」、 少しだけ仕入れましたので、ぜひSHOPでご覧になってみて下さい。

一方、青瓷釉はかなり安定してきたようで、初期に比べると価格も抑えられてきました。
当店でもそれを踏まえて、一部価格の見直しを実施しています。美しい品が手に入れやすくなるのは嬉しいですね。

12時を回った頃に風見窯を出て、少しのつもりで八女を見て回っていたら、最早おやつの時間が迫ってきてしまいました。
遅いランチは結局老舗の喫茶店で軽く済ますことに。
各地のこういう喫茶店、なんだかんだで入ってしまう店主です。

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