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2021-04-19

仕入日記:小鹿田焼 令和3年初窯

いつも仕入日記はすぐ書こうと思っているのに、今回は1ヶ月経ってしまいました・・・
その間何をしていたかというと、送料の見直しやら商品整理などを。それと店主はこのショップ以外に出稼ぎもしているので、それが忙しかったりでブログが遅くなってしまった次第です。

5ヶ月ぶりくらいの小鹿田。前回12月の窯出しはコロナ感染者が増えていたので日田には行かず、送ってもらったのでした(そもそも大雪で、仮に予定していたとしても皿山には辿り着けなかったのですが。笑)。やはり直接伺ってたくさんのものを見て窯元と話すのは、楽しく学びの多い時間です。
今回は坂本浩二窯と黒木昌伸窯が同じ日に窯出しだったので、業者さんの数がとても多かったです。更に週末で集落の子供たちが駆け回っていたりと賑やかな窯出し。

昌伸さんのところは今回は歩留まりが少なくたくさんとれたそうで、作業場にところ狭しと並んでいました。
よくまぁこんな量を3ヶ月ちょっとでたった2人で作れるものです。3寸皿だけでも100は挽いたそうですから、その総数たるや・・・。あくまで作家ではなく職人、民窯の仕事だなぁと改めて思います。

注文の品をせっせと荷造りする昌伸さん。毎度のこととはいえ、発送作業も大変です。
慣れてらっしゃるから早い早い。

一方で浩二さんのところは結構歪んだり割れたりが多かったそう。うちの注文も出来ていなかったものがいくつかありました。
例えばこちら、還元炎焼成(酸素不足で不完全燃焼)となってしまい緑釉が発色していません。

酸化焼成できちんと温度が上がり発色したらこうなります。

還元炎焼成もそれはそれで独特の渋い焼き上がりになって面白いですね。
ちなみにこちらの画像は酸化と還元、それぞれの炎がたまたま半分ずつ当たって焼けたもの。
実物だと一目瞭然ですが、画像だと分かりにくいでしょうかね?縁の飴釉が分かりやすいかもしれません。このように色が分かれるだけでなく、歪みが出てしまいます。

陶土の色も違ってきます。左が酸化、右が還元。同じ土なんですよ。
画像は特に分かりやすい例で、必ずしもこのようにはっきり分かれる訳でもなく、窯の中の状況次第で焼き上がりはその都度変わってきます。

そしてこちらは強く炎が当たったようでカリッカリに焼き上がったもの。
以前はこういう焼け方がよくあったそうですが「そういえば最近はなくて久しぶりにこうなった」と浩二さん。

窯の焚き方にもコツはあり経験がものを言う世界ではありますが、あるところから先は委ねるしかない。
思い通りの決まった形に定まらないというのも、このやきものの魅力のひとつだと思います。

今回仕入れた商品は既にショップに掲載しています。
よろしければ覗いてみて下さいね。

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