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2021-02-27

仕入日記:有田焼“大日窯”

実は数年前に一度だけ行ったことがあるのですが、マルクトスコレーとしては初めての訪問。
気にはなりつつも亀の歩みで進んでいるマルクトスコレーなので、まだ早いかな~と悠長に先延ばしにしていた窯元でした。

それがなんと、工房の老朽化などを理由に間もなく廃業されるとのこと!
あんまり悠長に構えていると、こういうことになります・・・
続いていく仕事、始まる仕事があれば、終わっていく仕事もあります。
仕方のない事だとしても、寂しいものです。

既に三代目は別の仕事を始めているようで、平日に伺うと絵付けを一手に引き受けているお母様がひとりで仕事をされていました。
本当は1月いっぱいで閉めるつもりが、最後の注文が思いのほか大量でまだ終わらないのだそう。

有田焼といえば華やかな絵付けの高級磁器のイメージが強いですが、大日窯の仕事はまるで古伊万里のような素朴なもの。
あくまで民窯として磁器をつくってきました。
華やかな有田焼もそれはそれで良いのですが、店主は大日窯のあたたかみのある磁器が好きです。

大日窯では三代目が主に成型や釉薬掛けなど形にする部分を担い、そのお母様が絵付け担当です。
嫁いですぐに絵付けの修業がはじまるわけですが、最初はひたすら新聞紙やチラシに真っ直ぐ線を引く。そこからのスタートでした。
唐草模様や柳、野菊、うさぎ、様々な絵付けがありますが、結局は格子や縞などのシンプルな柄が難しいのだそうです。

見れば見るほど、さすがの筆さばき。
積み重ねた時間がうかがい知れます。
繰り返しの仕事の強さ。

初代のものだという古いものもいくつか展示されていました。
釉薬の違いでちょっと陶器のようにも見えて、面白いですね。

ちなみにこちらは今回選んで来た、今の安南。
釉薬も土も違いますが、絵付けの違いを見るのも面白いです。

安南というのはフランス統治時代のベトナムのこと。
室町~江戸時代に日本に渡来して流行した「安南焼」をモチーフとした絵付けで、こうした安南手の陶磁器は今も各地でつくられています。

三代目がお若いので、まだまだ続くと思っていた窯元。
やっぱりほかには無い仕事だなぁと改めて感じたので廃業は残念ですが、窯元がそう決断されたのだから、受け入れるほかはありません。
せっかくなので少し仕入れさせて頂きました。大事に、でもたくさん使って欲しい。
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「まだもう少しはやってますから、また来て下さい」と久保さん。
優しい笑顔に癒されます。このお人柄が仕事にも出ていますね。

ありがとうございました。
あともう少し、お仕事がんばって下さい!

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