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2021-01-31

仕入日記:柴田徳商店その2

久しぶりに博多曲物の「柴田徳商店」に行って来ました。
最盛期は20軒ほどあったという馬出の博多曲物店の、最後の1軒。
道すがら改めて付近を見回すと、きっとここもあそこもそうだったんだろうな・・・という雰囲気のお店がチラホラ目に入ってきます。

前回の仕入日記に書いた通り「柴田徳商店」の職人さんは、一度は引退した高齢の方。
伺った日はお休みで不在にされてましたが、変わらず元気に仕事を続けておられる聞きひと安心です。
今回もお弁当箱を中心に選ばせて頂きました(ONLINE SHOP)。

なんと映画「461個のおべんとう」に何度も柴田徳商店のお弁当箱が登場しているそうですが、思いのほか期待した効果はなかったと笑う柴田さん。
お弁当箱の中身の方が注目されてしまったようですね~。
この映画店主は未見なので、お弁当箱に注目していずれ観てみようと思います。

以前伺った時は途中でお客様がいらしたので見られなかった、作業場も拝見。
最盛期には何人も職人がいたという作業場は広々としていました。
こういう場所のあるあるですが、空調がないので雪の時(伺った1週間前は福岡で積雪のあった大寒波の日)は寒くて大変だったそうです。

柴田徳商店では、薄い板は手で曲げますが厚い板には機械を導入しています。
曲げる前に板を煮沸して柔らかく曲げやすくするのですが、それに使うのが下の画像奥の大きな釜。

たくさん薪をくべながらの大変な作業なのですが、これを怠ると板を曲げる途中で割れてしまうそう。
こちらはそうして割れてしまったものたち。
小さいから大丈夫かな?と思ったけどダメだったと苦笑いの柴田さん。

冬は釜から出した板がすぐに冷めてしまうので作業がしにくいそうです。
ですが夏は材料には良くても人にとってはつらい季節。空調のないところで釜でぐらぐら煮るわけですからね・・・想像するだけでげんなりします。

ちなみにこの大きな木枠は、福岡空港のスターバックスのとあるオブジェ用に使ったもの。
私も全然気付いていませんでしたが、なんと博多曲物が飾られているそうで。
皆さん福岡空港に行かれた際は、是非探してみて下さい。

こちらは板を切る機械。

こちらは作業で出る木屑。
ほとんど廃棄になりますが、一部は牧場などで引き取ってくれるそうです。

その他様々な機械や道具があちこちにありました。
あいにく職人さんがお休みの日だったので、次はこれらを使って実際に仕事されてるところを見てみたいものです。

小さな曲物がたくさん吊るされていましたが、新型コロナの影響で神社の手水舎では柄杓が使われなくなってしまいました。
リモートが増えてお弁当箱の需要も減っているようです。
でもでも、暖かくなったら公園や庭やベランダで、曲物のお弁当箱でランチとか良いよなぁ、と思って仕入れてきました(ONLINE SHOP)。
手仕事の現場にも影響を及ぼす感染症の脅威。早く収まりますように。

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